第182章

島宮奈々未が島宮徳安を見捨てることなど、できるはずがなかった。

何と言っても、実の父親なのだから。

電話越しのあの女の声は、明らかに音声加工が施されていた。

島宮雪乃と天瀬美和子が刑務所に送られた今、彼女を目の敵にする者など他にいるだろうか?

天瀬姫代——その名前以外に思い当たる人物はいなかった。

島宮奈々未の顔色が優れないことに気づいた丹羽光世は尋ねた。

「どうした?」

「誰かがお父さんを狙ってる」島宮奈々未は強張った面持ちで言った。「丹羽光世、先に言っておくわ。もしお父さんを害そうとしているのが天瀬姫代で、お父さんの身に何かあったら……天瀬姫代とあなたとの間にどんな恩情があ...

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